義父は、毎晩酔っ払って帰ってきた。
お客との接待がずっと続いていた。
ある日からまた母が仕事をはじめた。
コンパニオンを経営したのだ。
日々、若い女の人が出入りし、私の母をママと呼ぶのが子供ながらに不思議だった。
それから母も女の人が足りない時、仕事に行くようになった。
彼女は小学2年生くらいから、夜は一人で過していた。
母は夜型の生活になり、朝は起きず、彼女は全ての身支度を自分でやっていた。
母に仕事に行かないでダダをこねるとおもちゃでなだめられた。
どうしても家で一人で居たくない日は、職場までついていった。
そのお店の前に停めた車の中で母が仕事を終わるのを待つ事もあった。
接待で酔っ払った父と、仕事で酔っ払った母。
ここから、毎晩のように2人の怒鳴り合いの喧嘩の日々。
夫婦のすれ違いがはじまった。
酔っ払い、毎晩嘔吐する声。
その音や声が彼女を苦しめた。
彼女が嘔吐恐怖症になったのは、これが発端だと思っている。
毎晩泣きながら布団に潜り耳を塞いでいた。
時には、父の前に立ち母をかばった。
そんな生活の中、家の中は常にピリピリしていた。
母はヒステリックになり、プリントや給食費の袋を渡すのすら顔色を伺った。
子供ながらに母を守らねば、怒らせてはいけない、ワガママを言ってはいけない、困らせてはいけないと無意識に良い子になっていった。
体調不良する言い出す事はできなかった。
そんな日々が続く中、重大な事が発覚した。
義父は、前の奥さんと離婚が成立していないのに、母と入籍をしていた。
それが分かってからは家の中はさらに冷たい雰囲気となっていった。
母は知り合いに頼んでアパートをこっそり探していた。
夜は義父がいるかもしれないので、昼のうちに引っ越すと告げられ鍵を渡された。
夜逃げではなく昼逃げです。
そして逃げるように最低限のものを母は持って引越、彼女はいつも通り学校に行き、そのアパートへ帰った。
アパートの鍵を見せられ、母は仕事へ行き、鍵を預かった私は引き出しに入れるのを忘れてしまった。
それを見た義父は、母が逃げる事に勘ずいてしまった。
住所を調べられ、夜遅くに怒鳴り込んできた。
その後、いろいろな事があったがどうにか離れる事ができた。
ちなみに、アパートを探すの協力してくれた知り合いとは、第3の義父となる人だった・・・。
なんかすっごいドロドロですね。
僕は書きながらある事に気付きました。
彼女はトラウマの塊なのかなと。
例えば、人が怒るのが苦手なのは、この話から来てる感じがするし。
お酒が嫌いになったのもこの話。
嘔吐恐怖症もこの話。
寂しがり屋なのもこの話。
全て今苦手な事は過去のトラウマというか、嫌な出来事からきてる感じがしました。
彼女は、苦手な事がすごいたくさんあります。
彼女は、一度パニック発作が起きた場所には行けません。
それと同じように、一度体験した嫌な出来事は、彼女は自然と拒絶するようになってしまったのかなと思いました。
彼女の苦手な事は、過去と全て繋がってる感じがします。