その知らせの日、電話をもらった直後に病院に駆けつけた。
恐怖と不安を抱えながら、何かを覚悟しながら。
病室に入った時、私の知らない人間達が父親を取り囲んでいた。
その人間達は、私の存在を知っていたが名前まで。
私は誰一人知らない人間達だった。
とても不思議な感覚だった。
その一人の人間が、父親の手を握るように促した。
私が来た事を父親に、部屋中響き渡るほど大きな声で伝えた。
そして、父親の手を握ると、父親も力強く手を握り返してきた。
その父親の体温と、手から伝わる生きたいという想いが、私の胸に突き刺さった。
父親の目は、私の姿を探していた。
けど、父親の目の焦点はまったく合わず、視線を交わす事は叶わなかった。
その焦点の合わない父親の目からは、強さと悔しさと、自分が死ぬという事を理解できない、受け入れられないという目に見えない命の力強さを感じた。
私には、父親と接してもらった記憶がないのにも関わらず、無意識に涙が止まらなかった。
そして、病室の外で恥ずかしげもなく、周りの目も気にせず、私は湧き上がる涙を堪えきれず泣き崩れ座り込んだ。
それを見かねた母が、私を抱えて病院の外に連れ出した。
帰宅後も、私の涙は止まる事はなく、部屋で一人涙を流し続けた。
きっとそれは、父親に対する思いや悲しみではなく、血の繋がりと、父親からもらった命、DNAが私に涙を流せさせたのであろう。
その数日後、父親は亡くなった。
最近よく思うのですが、調べれば調べるほど彼女はアダルトチルドレンだと思う。
下記のサイト(URL)に書かれている内容は、非常に納得できる。特にアダルトチルドレンの特徴的な心理パターン(行動・思考)が彼女とほぼ一致する。
http://cocoro-sora.net/symptom/basic02ac.html
アダルトチルドレンには、心理カウンセリングが有効と書いてありましたが、たしかにそれしかないのかなと思っています・・・