うつ病は家族の理解が必要な病気だと思います。
しかし、うつ病は家族にさえ理解を得られにくい病気だとも思います。
彼女が、まさにそうだった。
家族はたぶん一時的な気持ちの問題で、すぐ元気になるものだと思っていたのかもしれない。根性、気合でどうにかなる。もしくは病んでいるのは甘えだと心のどこかで思っていたのかもしれない。
「そのうちすぐよくなるよ」と、たぶんスタートはこんな感じだったと思う。
だからなのか、僕は外から見ていて家族と彼女の距離間がある事はもちろん、冷たさなど感じた。けど久々の再会だったし、どう彼女と接していいのか分からない部分もあったと思う。
これはあくまで僕の予想ですが、家族は途中で気付く。根性、気合でどうにかなる病気ではない事を。彼女の病気の重さを。彼女への接し方が少しずつ変わっていきました。
彼女は無意識に家族にヘルプサインをだしていたかもしれません。リストカットだったり、薬の量、医師とのやりとりをよく母に話していたので、やはり母親には1番理解してほしかったのだろう。
彼女も家族と距離を縮めるように努力をしていた。家族の言葉や態度に一喜一憂せず柔軟に対応できるように努めた。家族も彼女が傷つく言葉や態度を少しずつ理解していった。最近、家族の言葉で傷ついてる様子はない。
そもそも家族に過度な期待や、病気への理解をそこまで求めなくなった。そうする事によって、良い距離感をとれるようになった。体調やメンタルが弱っている時は家族に接しないなど彼女なりに工夫している。
はじめは他人みたいな関係性でしたが、今現在はバスタオル、食器などの物を共有できるようになったり会話もすごく増えている。
家族の理解を得られず、苦しんでいるうつ病患者さんをインターネットやTwitterでよく見かけますが、はじめは理解しようとしない家族だけが悪いと思っていました。
けど、彼女のように歩み寄る事も必要なのではないのかと最近思うようになりました。他人なら難しい行動ですが家族にならできるはずです・・・1度はチャレンジしてみて下さい。
逆の立場で考えてみて下さい。貴方が健常者で母親がうつ病だったとします。
貴方は仕事も家事もしています。
貴方ならどこまで母に寄り添えますか?
母を満足させられますか??
いくら心の病気でも、待ってるだけではなく彼女のように歩み寄ろうとする気持ちはすごく大事だと僕は思います。