うつ病と診断された日は、今から約3年程前。
彼女は、アパレル店の店長として何年も店長としてバリバリ働いていた。
責任感が強く、仕事に対しては「糞」がつくほど真面目だった。
そんな順風満帆に過ごしていた彼女に、鬱病の影が徐々に忍び寄っていた。
第1の異変が「不眠」である。
当時、眠れないのは疲れが足りないのかと思い、仕事終わりに飲み歩いたり、一人で晩酌したりもした。
飲めない酒を飲んでも、不眠が改善される事はなかった。
「寝ないと、寝ないと」と思えば、思うほど眠れず、時計の針が出社時間に近づくにつれ、焦りと不安で胸が締め付けられる日々だった。
睡眠不足で向かう仕事は地獄である。
朝まで眠れず、そのまま仕事へ向かう日もあった。
まともに眠れた日はなく、この状態は毎日続いた。
薬嫌いもあり、眠剤の服用はこの時していなかった。
「なぜ不眠になったのか?」
不眠になる前に、長年働いていた場所から会社で大きな移動があった。
今思えば、彼女の特徴でもある環境変化への弱さが、不眠に影響したのかもしれない。
この「不眠」のサインが、鬱病へのカウントダウンの始まりだった。